2007年08月11日

ビビリ犬にとっては、たかが散歩も命がけ

現在我が家に居候しているポセくんは、ご幼少のみぎりから自他とも認めるビビリである。

以前、うちに泊まりに来た時は相棒犬がいて、あと我が家にも大型犬が3頭いたせいか、別に怖がることもなく平気で散歩にでかけていた。だが、今回はちょっとばかし勝手が違う。いまは散歩の助っ人がいないので、人間1、それにいつの間にかポセが成長してしまったせいで、自分より小さな犬を2頭引き連れて出かける散歩は、ポセにとっては恐怖のイベントだ。

だから、1日目から散歩に行くのがとにかく嫌で嫌でたまらなかった。

ビビリ犬というと、とんでもない欠点を抱えているとか、生まれつきの病気のように思いこんで悩む飼い主さんがけっこういるが、ビビリはべつに病気じゃない。ただ、ちょっと他の犬と比べて神経質で臆病なだけなのだ。ビビリのコは新しい環境に慣れるのにふつうよりちょっと時間がかかる。新しい家に行くとご飯が食べられなくなってしまったり、ケージに閉じこもったままずっと隠れていたり、知らない人を見ると吠えてしまったり、確かにちょっと手はかかるのだが、時間をかけて慣らしてやれば、どこでもふつうに暮らしていけるのだ。ただ、1日目から張り切って散歩に行こうとか、ドッグカフェやらドッグランや旅行に犬といっしょに行きたいと思っている飼い主さんには向かない犬だ。

だって、慣れない環境におかれると、とりあえず置物になってしまうのだから。

で、我が家に宿泊中のポセさんだが、とりあえず1日目の朝の散歩は何とか先住犬2頭といっしょに行けた。飼い主が起きた時にはすでに灼熱地獄だったので、庭で自由に排泄したあと、家の隣の公園をざっと歩きまわっただけだったからだ。

現在のポセにとっては我が家が唯一の安全地帯なので、家が見えている限りは何とかふつうに歩くことはできるのだ。ふつうに歩くといっても、常時、前後左右に目を配り、敵から身を守るべく飼い主の後ろをウロウロしているので、はっきり言ってそうとう挙動不審な犬にはなっている。

おいおい、敵国に潜入したスパイかよ、おまえは!

でも、ポセにしてみれば常に命を狙われている007な気分なのだ。犬は外に出ると100人の敵がいる! ポセは本気でそう信じてこんでいるのだ。

まあこれって性格だからね、しかたないんだよね。ほら、人間にもいるでしょう? ありえないようなことを色々想像してやたらと気に病む心配性の人って。

で、朝の散歩は何とかなったのだが、問題が起こったのは夜の散歩の時だった。少し涼しくなったので、遠くの小さな公園まで行こうと、隣の公園から出たとたん……

ポセくん、石化(涙)

無理です。もうこれ以上は歩けましぇ〜ん!

間の悪いことに、そこにたまたまお爺さんが通りかかった。ポセは男性が苦手である。女の人だとたいていの年齢層はOKなのだが、男は基本的に嫌いなのだ。とくに60代以上の爺さんは怖くてたまらないらしい。

ほらやっぱり! ボクは命を狙われてるんだぁぁぁぁぁ!!!!

いや、おじいちゃんは、ただ家に帰る途中なだけだから。

でも、こうなってしまうと梃子でも動かない。下手に引っぱると首輪が抜けて危険なので、いったんポセを置きに家に戻って、うちの犬だけ通常コースを散歩させることにした。

散歩を終えて家に帰るとポセは上機嫌でお出迎えしてくれた。

「きょうは散歩行かなくて済んで、らっきぃ〜♪」

甘いね。アタシャそんなに甘い飼い主じゃないんだよ。

というわけで、ポセちゃん、その後独りで近くの大きな公園まで強制連行。強制連行といっても、無理矢理リードを引いて引きずって行ったわけではない。飼い主が前を歩き、ポセが止まってしまったら、前進するまでその場で待つ。これを何度も繰り返して、犬が自分の意志で歩くのをひたすら待つのだ。

ビビリのコにとって何が怖いって、見知らぬ土地で独りぼっちになることほど恐ろしいことはない。だから、飼い主のそばから離れまいと必死になる。そのため、怖いけど我慢して少しずつなら前進できる。犬がそばまで寄ってきたら、うんと褒めてやってまた人間は数歩前進する。ベイトが使える犬なら、おやつやおもちゃを見せて誘うこともできるのだが、ポセはまだ門の外では大好きな鶏ささみジャーキーを見せても食べることもできないのだ。だから、ポセが恐怖心に打ち勝って、何とか自力で歩きだすのをひたすら待つ。

大きな公園は、街灯がほとんどなくて暗いので夜はめったに人通りがない。お陰でポセが恐れている暗殺者に遭うこともなく、無事短いながら散歩を終えた。とりあえず、家が見えない場所まで来れただけでもきょうのところは大進歩だよね。

ポセは今回3、4日滞在するだけなのでたぶん大きな前進はないが、それでも知らない土地を歩きまわっても怖いことは起こらないと学習してくれればそれでいい。けっきょくビビリを克服するのに必要なのは、ちょっとの時間と繰りかえしの練習だけなのだ。習うより、慣れろ。これこそまさにビビリ犬のためにあるような言葉だ。

それにしても、ビビリのコにとってはたかが散歩も命がけ。たぶん、ものすごく疲れるんだろうね。少しでも楽になれるようにしてやりたいな、と一時預かりの仮飼い主としては、そんな気分になっているのだ。

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ニックネーム 犬まみれ隊 at 12:51| Comment(8) | TrackBack(0) | 犬あれこれ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする